結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「結城くん!

ゆきのことよろしくお願いします!」



そしてちゃっかりあやちゃんはそんなことまで言っちゃってる。



「あぁ。任せて」



それにしっかり王子様キャラで答える結城くんも結城くんだけど…。



はぁ…

わたしをお構い無しに話が進んでるんですが……



「ゆき、行くぞ」


「あ、はい!」



まぁ、せっかくの結城くんとのデートだもん!


楽しまなくちゃね!



下駄箱で一度別れて合流し、校門まで一緒に行く。



それまでもなんだかんだ会話は弾んだ。



よかった……


わたし、ちゃんと話せてる。



一時は緊張しすぎてヤバいかもって思ったけど大丈夫そうだ。



「そう言えば行き先は決まってんのか?」



その質問にわたしは満面の笑みで答える。



「駅前のクレープが食べたいです!!」


「クレープ?」


「はい!

あそこのクレープほんっとうに美味しいんですよ!

わたし甘いの大好きなんです!」



甘いのをこよなく愛する南ゆきですからね!