――――
―――――……



「それにしても、ゆきちゃんとこうして一緒に帰れるなんて嬉しいな」



今は帰り道。


飯田くんはあの後教室に戻って、一緒に帰ろうと誘ったわたしを見て、こうしてすごく喜んでいた。



これからそんな飯田くんを傷つけてしまうんだと思うと、少し胸が痛む。



でも、わたしなんかより飯田くんの方が傷つくんだから、そんなこと言ってられない。



伝えることを先延ばしにすればするほど、余計飯田くんは傷つくんだ。


だから、ちゃんと言わないと。



「あ、ゆきちゃん家が見えてきたよ」



わたしの家が見えてきたところで、足を止める。



「ゆきちゃん?」


急に止まったわたしを不思議そうに見る飯田くん。



「飯田くん」


「なに?」



優しい表情を浮かべている飯田くんの顔をしっかりと見る。



「あのっ、わたしやっぱり……」


「ストップ」



意を決して言おうとしたわたしの言葉を飯田くんは止めた。