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「それにしても、ゆきちゃんとこうして一緒に帰れるなんて嬉しいな」
今は帰り道。
飯田くんはあの後教室に戻って、一緒に帰ろうと誘ったわたしを見て、こうしてすごく喜んでいた。
これからそんな飯田くんを傷つけてしまうんだと思うと、少し胸が痛む。
でも、わたしなんかより飯田くんの方が傷つくんだから、そんなこと言ってられない。
伝えることを先延ばしにすればするほど、余計飯田くんは傷つくんだ。
だから、ちゃんと言わないと。
「あ、ゆきちゃん家が見えてきたよ」
わたしの家が見えてきたところで、足を止める。
「ゆきちゃん?」
急に止まったわたしを不思議そうに見る飯田くん。
「飯田くん」
「なに?」
優しい表情を浮かべている飯田くんの顔をしっかりと見る。
「あのっ、わたしやっぱり……」
「ストップ」
意を決して言おうとしたわたしの言葉を飯田くんは止めた。