「だってそうだろ?

あたしのゆき、あたしのゆきって。

ゆきちゃんは松島さんの物じゃないじゃん」


「あんた、あたしに喧嘩売ってんの?

ゆきとはね、あんたなんかよりずーっと長い仲なの!」


「へぇー」



やばいぞ、これは……


そろそろ絶対あやちゃんの怒りが爆発しちゃうよ…



「あぁー、もう!!ちょっとゆき来て!」


「は、はい!」



やっぱり……


あやちゃんに腕を引っ張られて廊下に出た。



「ゆき。

そろそろちゃんと気持ちはっきりさせな。

ゆきがバシッと言わないと、いつまでも調子乗るよ、アイツ」



教室にいる飯田くんを睨みつけて話すあやちゃん。



「ゆきにはもう、結城くんっていう好きな人がいるんだから、ちゃんと断らないと」



そうだよね。


わたしがいつまでも気持ちハッキリさせないと、飯田くんを余計期待させちゃうんだよね。



「わかった。

今日、飯田くんと一緒に帰る。

それで、その時ちゃんと断る」


「そうした方がいい」


「うん」