「ゆきちゃん。


これ美味しいよ!ゆきちゃんも食べてみてよ!」


「あ、はい。

ありがとうございます…」


「はい、あーん」



疲れた……


やばい、失礼だと思いながらもう帰りたいと思っちゃう。



「おいしい?」


「お、おいしいです」



さっきからニコニコ顔の飯田くんとは反対に、苦笑いしか出てこないわたし。



そもそもこんなことになってしまった発端は今日の帰り。



――――
―――――……




「ゆーきちゃん」


「うぎゃっ!」


「アハハ、可愛い」



び、びっくりした……



HR後、帰る準備をしていたわたしのもとに急に声をかけてきた飯田くん。



ていうか!


なぜ急に名前呼び!?


飯田くんの中で何が起きたの?!



「あの、飯田くん?なぜ急になまっ……」


「ちょっと飯田くん!

ゆきにちょっかいかけないでよ!」



急な飯田くんの登場と、まさかの変化に戸惑っていたわたしのところにあやちゃんが来たことで、わたしの質問はかき消されてしまった。