唯一の救いは、今この家に結城くんがいないこと。
わたしがあやちゃんに今まで隠していたことを話すと言ったら結城くんは気を使ってくれたのか、今日はお友達の家に泊まると言って出て行った。
結城くんがいたら、すべて会話が丸聞こえだとおもう。
こんな話、結城くんの耳にはいれられないよ!
「さぁゆき!白状しなさい!
あたしに隠し事はなしだって今約束したわよね?!」
うぅ……
そんな風に言われたらもう言うしかないじゃん……
「…………たよ…」
「え?」
「キス、したよ…………」
もう恥ずかしすぎて最後の方はかなり小さな声だった。
「キャーーーー!!!!」
う、うるさっ!
あやちゃんは顔を赤くしてかなり興奮している様子。
おまけに
「ついにゆきにも春が来た!」なんて言ってるし。
「そっかそっか。
だから飯田くんの告白もなかなか返事できなかったんだね。
でもほんと、付き合ってたなら教えてくれてもよかったのにぃー」
はい?
