「怒らないって約束してくれる?」

「あ?んだよ、それ」

「いいから!」


変に誤魔化して、この関係をゆがめたくない。



「ったく……。わかったよ」


ピシッと約束を取り付けると、拓海はため息混じりで了承してくれた。



「実はね」


今朝着替える前に起こったことを、正直に話した。

みるみる拓海の顔が険しくなっていくのはわかったけれど、全て話終わったあとに「約束したでしょ」と念を押す。



「……ごめん」


拓海が最初に放った言葉は、予想どおりのものだった。


「もう、拓海が謝らないでよ。だから言いたくなかったのに」


優しい拓海のことだ。それを言ったら絶対に自分のせいだと責任を感じてしまう。


拓海は悪くないのに。