不意に後ろから聞こえた声。
え?と振り返ると、そこにはまさかの優希くんが立っていて。
「ゆ、優希くん……?」
「相変わらず無茶するね、遠山さん」
困ったように笑う優希くんに、あぁ、とバレていたことを悟った。
……まるで、私が優希くんに恋したときと同じ。
「悪いけど、遠山さんは次の試合は出れない。彼女、怪我してる」
「えっ?」
「ち、違うの。これは……」
「言い訳はあとで聞くから。ね?」
動揺するチームメイトに軽く事情を説明した優希くんは、「歩ける?」と私を支えながら保健室まで付き添ってくれた。
「気づかなくてごめんね」と謝ってくるチームメイトたちに、胸が痛む。私が悪いのに。



