「か、勝った……？」
「勝ったよ！やったね！」
きゃっきゃと喜ぶチームメイトに混じって、私もヘラリと笑う。
やった。よかった。
ちらりと周りを見ると、他のクラスメイトたちも応援してくれていたみたいで、中には拓海もいた。
やったよ、拓海。あんたの練習のおかげ。
ありがとうの意味を込めてVサインをしてみたけれど、なぜか拓海はムスッとして反応を返してくれなくて。
「次も頑張ろうね、杏樹ちゃん！」
「うん、そうだね」
不思議に思いながらも、チームメイトの言葉に頷いた。
が、次の瞬間。
「それは無理じゃないかな」
