「ちょ……、拓海!?」 「シーっ。騒ぐなよ」 「だ、だってっ」 「あー、ったく。俺が杏と2人きりになりたいの、わかんない?」 拓海の声がすぐ上から降ってきて、ドキドキと心臓が早くなる。 あ、やばい。 拓海の声って、こんなに甘かったっけ。 「で、でも、ダメだよ」 「真面目か。静かにしてりゃ誰も来ねぇじゃん」 「違っ、そうじゃなくて」 ドキドキしすぎて、体ぜんぶが熱い。ほんとに、クラクラしてしまう。 ダメなのは、場所じゃなくて。 ……私が、どうにかなりそうなんだもん。