そしてまた、俺の心臓は音を立てる。 ……いつの間に俺は、こんなにもコイツのことを好きになったんだろう。 「俺、もう好きな人は白石さんじゃないから」 「……え?」 杏が高野を好きじゃないように、俺はもう白石さんを好きじゃない。 今は、心からあの2人を応援してる。大事な大事なチームメイト。 「だからもう、同盟は終わり」 「たく……」 「杏」 俺の名前を呼ぼうとしたであろう彼女の声を、彼女の名前を呼んで遮った。 その名前を呼ぶのに、いまほどドキドキしたことはない。