「言ったろ。話がしたいって」 「だからって、」 「じゃあ、話そうって言ったら大人しくついて来てくれたかよ?」 「……っ」 押し黙る杏に、一歩詰め寄る。 図書室の扉は閉めた。 悪いけど、ちゃんと話が終わるまで帰してやるつもりはない。 「杏」 「……ごめん」 「え?」 ちゃんと話そうと口にするよりも前に、先に口を開いたのはまさかの杏の方だった。