片想い同盟



「悪いけど、俺キミに興味ないから。俺好きな子いんの。その子に勘違いされたくないから、さっさと離してくれる?」


頭の中には杏のことしかない。


イラついた俺に怯えたのか、掴まれた腕はゆっくりとほどけた。

その隙をついて一気に距離をとって、俺は受付にいる杏のところまで歩み寄って、その細い腕を掴む。


「……え?」

「来い」

「えっ、ちょ……」


問答無用で受付から立ち上がらせると、そのまま引っ張る。


シフト交代でもう待機していたクラスメイトにこの場を任せて、俺はそのまま杏の腕を引いてその場を離れた。