「じゃっ、よろしくね〜」
なんだかしてやられた感が否めないけれど、結局私は当日この衣装を着て受付をすることになってしまった。
とりあえずもう一度試着室で制服に着替えて、一旦衣装は衣装係の人たちに返す。
「拓海くんには当日まで内緒にしてた方がいいよ。サプラーイズ、みたいな?」
「サプライズ?なんの?」
さっきまでにっこりしていたその子の表情が、なぜか次にはニヤニヤに変わっていた。
「ふふっ。杏樹ちゃん、当日は私たちがメイクするからベースメイクだけ家でしてきてね」
「う、うん……?」
結局その意図はわからないまま、目まぐるしい日々が続いていった。



