片想い同盟




「え、お前高野に告るの?」

「いや、そんなわけ……って、ちょっと!急に現れないでよ!」

「や、ここ俺の席だし」


不意に声が聞こえたと思えば、目の前に拓海が戻ってきた。



「ずいぶん早かったね」

「まぁな」


ついさっき、呼び出されたばかりなのに。


告白され慣れてるこの男は、何事もなかったかのように私と会話をし始める。



「で、何?告白がどうとか今言ってなかった?」

「い、言ってない!……言ったけど!なんでもないの!」

「どっちだよ」


ふはっ、と拓海は笑う。



こいつの場合は、どう思うんだろう。


自分が好きでもない人から告白されるって、男の人からしたら困るものだったりするんだろうか。