私の言葉に、彼女は照れたように笑った。
相変わらずかわいいな、香里奈は。
中学時代は彼女のこの笑顔に毎日癒されていたっけ。
たこ焼き、わたあめ、チョコバナナ。
ひと通りの食べ物を制覇してお腹を満たしたところで、次に私たちは輪投げをやろうとその場所を目指した。
先にたくさん食べるあたり女子力がないね、なんて言いながら、みんなで笑って歩く。
ちらっとスマホを見ると、時間は18時04分だった。
「ん?杏樹、どうかした?」
「へっ、ううん。なんでもない」
なんとなく辺りをキョロキョロしてしまった私に、香里奈が首をかしげる。



