片想い同盟



お互い同じ中学の集まりといっても、グループは違う。


それに会場も広いし混んでるだろうから、偶然会えるかなんてわからない。


でも、会えるんだ。

会おうって、言ってくれたから。


そのあとは他愛もない話をして、お互い眠くなったタイミングでおやすみをした。



ベッドに横たわり、夏祭りに行く格好を頭の中で巡らせては頬が緩む。


中学の友達に会えるのだってもちろん嬉しい。

けど、どうしようもない私の頭は、拓海のことでいっぱいだった。



……こんなの、もう。

ここまで頭いっぱいになって舞い上がっている自分がいるとなれば、この感情につける名前の候補はもうひとつしかない。