ピコン、とスマホが音を立てて、反射的にそれを手に取った。


【じゃ、部活行ってくる】


端的なその一言でも嬉しくて、【頑張ってね!】という言葉とともに、少しかわいげのあるネコのスタンプを送る。




夏休みに入って、早1週間。


予想通り拓海は部活が忙しくて、私たちはあの日以来会えていない。


やっぱり寂しいとも思うけど、メッセージのやりとりや、たまに夜に電話もしているからまだ心は穏やかだ。



「……なんか、私」


バフっとベッドの上に寝転んで、天井を仰ぎながら思う。



……私、拓海のことばっかりだ。