片想い同盟



「慣れない告白に杏ちゃんが戸惑ってるんじゃないかと思って」

「別に、戸惑ってなんかないもん」


"杏ちゃん"て、そうやってまたからかって。


でも、ポンポンと撫でてくるその手はすごく優しい。



「告白されたことは否定しないんだ?」

「……告白されては……ない、けど」

「けど?」

「……」

「好意はあった、って感じ?」


的を射ている拓海の言葉に、コクンと小さく頷く。


ちょっと怖かった、なんて言ったら中山くんに失礼だから口にはしない。


ただの友達申請ってわけじゃないってことは、彼のあの言動を考えたら私にもわかった。