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そしてやってきた放課後。
拓海にじと目で見られながら向かった体育館裏には、名前の知らない男子がいた。
「遠山さん、よかったら僕と友達になってくれませんか!?」
「……はい?」
……そして告げられたのが、まさかの友達申請。
えーっと……?
うまく状況が飲み込めず思考が停止してしまう。
女子からの呼び出しでも、拓海予想の告白の呼び出しでもないこの展開に、理解するのがやっと。
「あの」
「はいっ!」
「えと、ごめんなさい。どちらさま……でしょうか」
まずこの男子の名前はおろか顔にも見覚えがなくて首をかしげると、彼はハッとして「中山です!」と元気よく自己紹介してくれた。



