片想い同盟



え、うそ、本当に?


いざ拓海のその反応を目の前にすると、ますます私の目は丸くなる。


この前の体育祭で、私が拓海ファンに囲まれたことを、まだこいつは気にしてたんだ。



「ふっ、あははは……っ」

「っ、おい、笑うとこじゃねぇだろ」


ふてくされたように拓海はそう言うけれど、あいにく無理だ。頬がゆるゆるなんだもん。


こらえようにもこらえきれなくて、せめてもの思いで口元を手で覆う。


あんなの、別に気にしなくていいのに。

優しすぎるんだよ、拓海のバーカ。



「ふふっ、ありがとう、拓海」

「あ〜……、言わなきゃよかった」

「そんなことないよ。嬉しすぎて笑っちゃうの」

「んだよ、それ」