片想い同盟



「「ほんっと、ごめん!」」


取り残された2人も、私たちにそう謝って教室を出て行く。


「ミヤ待ってー!」とパタパタ走り去る足音を聞きながら、拓海は長いため息をついた。



「……うっざ」

「……」


拓海の口からこぼれた暴言に、私は目をパチクリ。


「杏?」

「……拓海が女の子に塩対応なの、初めて見たかも」

「あー……まぁ、うん」

「どういう心境?」


私がそう思うのも無理はない。


拓海は別に女の子好きというわけでもないけれど、男女平等にフレンドリーなキャラだったはず。


女子に対してあんな態度をとったのは、私の知る限り初めてだ。