こんなにあっけなくていいものなのだろうか。
かなりあの2人に失礼な態度だったと思うんだけど。
「……いいの?あれで」
「いいんじゃね?いつまでもあいつらに構ってられるかよ」
ムスッとしているところを見ると、拓海は拓海で思うことがあったらしい。
そこはあえて触れないとしても、私にしてくれたことのお礼はきちんと言わないと。
「ありがとうね」
「は?なにが」
「いやだから、その、メガネ」
「……あぁ」
拓海の右手には、まだ私のメガネが握られている。
何を考えているのか、拓海はその右手をしばらく見つめていた。
が、その直後、バッと私の顔を見るとにやりと笑って見せてくるものだから、体が勝手に身構える。



