"高野くんと白石さんがついに付き合った"


次の日の朝学校へ行くと、すでにそんな噂がまわっていた。


2人の付き合いそうで付き合わない幼なじみとしての距離に、歯がゆさを感じている人は案外多かったらしい。



朝からそんな噂を聞いても、私は意外と平常心でいられた。


……ちょっと、ほんのちょっとだけ、胸がチクンと痛むくらい。



でも、あれだけ好きだった人に彼女ができてもこれだけで落ち着いていられるのは……。



「うーわ、ひどい顔」

「その言葉そっくりそのまま返す」


確実に、この憎まれ口を叩く同盟相手のおかげ。