拓海、私頑張ったよ。

優希くんの背中、押したんだよ。


ごめん。ごめんね……拓海。





「……汚しちゃった」

「んなの気にすんな」


もう枯れるくらい泣いた私は、拓海の制服を見てギョッとした。


涙で滲んだファンデーションの肌色が、思いっきりワイシャツについている。


自分の裾も同じく肌色がついていて、もうどうしようもないその具合に一周まわって笑えてきた。



「拓海」

「ん?」

「ごめんね」


たぶんもうお化粧なんて落ちきってひどい顔だろう。


だけどこればかりは目を見て言わないわけにはいかなくて、私は顔を見上げて拓海に謝った。