「え、どういう心境?」



次の日の朝。


偶然にも朝の学校の玄関で出会った拓海は、私の顔を見るなり「おはよう」よりも先にそう言った。



「え、今日の第一声、それ?」

「いやだって」


思わず私も「おはよう」を言わずに返してしまったけれど、これは拓海が悪い。


まん丸な目で私を見つめる拓海がなんだかおかしくて「どう?」と調子よく聞いてみた。


「どうって……。昨日の今日でなんでそうなるんだよ。普通逆じゃねぇの?」

「逆って?」

「いやだから、その、やつれるとか、目腫れるとか、肌荒れる……とか?」


少し遠慮がちに言う拓海は、私の違いに今日1番に気づいた人。