「拓海と帰ろうかなと思って。待ってた」
変な嘘をついてヘラっと笑う。
自分でも驚くくらい、拓海の顔を見てなんだか安心した。
これが同盟の力ってやつかな、なんて呑気に考えてみたり。
顔を見ただけで安心するくらい、私はもう拓海に頼り切ってしまっているのかもしれない。
まぁ、練習試合も見ずにただひたすらここで2時間拓海が通るのを待っている時点でおかしな話だとは思うけれど。
せっかくだから応援でもして待とうかなと思ったけれど、無理だったから。
そんな私の顔を真っ直ぐに見つめた拓海は、スッと手を伸ばして頭をポンと撫でた。
「……どうした?」
そんな心配するかのような優しい言葉付きで。



