やがて修さんが迎えに来て

飛鳥は部屋を出て行った。



帽子を深くかぶり

マスクをして

完全装備。



「行ってくる」


『行ってらっしゃい。
 あ、ちょっとまって』




私が、用意していた合鍵を渡すと、

飛鳥は一瞬だけ顔を上げた。



頭も顔も隠れていて

目だけが見える飛鳥の顔。

ふっと力が抜けて

目元がすうっと下がって

ほほ笑んでいることが分かった。


コクリ、と頷いてから

飛鳥は出て行った。