「烏丸くん?どしたの?」
「はよ冷やさな火傷なってまうから!」

花田さんの手を掴んだまま、
蛇口の水を火傷の部分に浴びせた。

「だ、大丈夫だよ?ちょっと当たっただけだし」

「あかんて!女の子やねんから!
火傷はほっとくのが1番あかんねんで!」

花田さんの背後に少し被さるような体勢。
触れられている手。
烏丸を好きな花田さんからしたら、ドキドキしないないシチュエーションだった。

「……俺、女の子傷つけてばっかやな。」

ふと、零した烏丸のセリフに花田さんはすぐに山崎さんの事だと察した。

「……傷つかない恋なんて、ないよ?
それに、あたしは烏丸くんが悪いなんて思ってない。」