「真澄…追いかけてくるっ!!」

「やめなよ、烏丸くん…。」

床に伏せたままの宮村さんが、烏丸の袴の裾を掴んで引き止めたが、彼女は何故か笑っている。

「あの子泣いてたね。最高♡」
「は……?」

「気に入らないんだよね、あの子。
転校してきてからあたし以上にチヤホヤされちゃってたから。」

烏丸はこの時ようやく気づいた。
宮村さんの制服のシャツに落ち切っていないピンクの汚れに。そしてそれが、黒板のピンク色のチョークの汚れだとゆうことに…。

「おまえ……嵌めたんか?俺達を。」

「だってムカつくんだもん。
この学年1の美少女の座はあたしのモノ。
きゃあっ!?////」

パンっ!!と、乾いた音が体育館に響いた。
烏丸が宮村さんの頬に張り手をかましたのだ。