「ただいま、花楓ちゃん。
刑事さんがお揃いのようですね。」

「どうも。東京から来ました。
青山と、こちらが烏丸です。」

「俳優をしております、遠藤研二です。」

握手を求められ、青山は嬉しそうに握手をした。

烏丸が交わした時、遠藤さんの手を観察する。

「ルアーの刺傷っすか?釣りやってるのはほんまみたいっすね。」

右手の指にいくつかの小さな傷を見つける。

「えぇ。弄ってるとね、たまに自分の指刺しちゃうんですよね。まぁ今日は旅館に泊まるのでさすがに魚は持ち込めないですけど。」

遠藤研二は苦笑いした。
そうこうしていると、赤いネクタイをつけた男性が近づいてきた。