「烏丸迅の京都事件簿」

中は荒れていた。木製の家の中は、そこら中に争ったような細かい傷跡が残っている。

遺体があっただろう白いテープの周辺には、血が飛び散っていた。中央に大きな柱があるのだが、そこにまで。それは犯人が被害者を斬りつけた時に返り血として柱にはねたであろう事を物語っていた。

「青山、これ見てや。」

床に落ちていた粉々になった樽の欠片たち。
真っ二つに割れ、中央に直径10センチ程の穴が空いている。
青山はその残骸と、匂いですぐにそれが何か分かった。

「明智豪さんは、反撃しようとしたんだ。」

「せやな。この粉砕具合、"Atack"に見られる特徴や。」