やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ


「こんな時間からどこに行こうとしてたんだ?」
「……コンビニ」
「コンビニ!? 家のトイレットペーパーでもきれたのか?」
「いや……甘い物が食べたくて……」
「ほんと馬鹿なの」

緊急性の欠片もない理由には要も心底呆れた表情を見せた。
彼が呆れるのも無理はない。
甘い物が食べたいっていうだけで夜のコンビニを目指して、自ら危険に飛び込んでいったようなものなのだから。

本当に馬鹿なことをしたと自分でも思う。
要に説教を食らって、朋世は(しお)れた菜っ葉のようにしょんぼりしている。

「もう帰るぞ」

要は半ば強制的に朋世の手を引いて公園を出ようと歩き出す。
しかし、彼女はそれを引っ張って少し抵抗してみせた。

「なんだよ……」
「甘いものは……?」
「この後に及んで食うのかよ」

恐怖に打ち勝つほどの欲求に、要は思わずツッコミをいれた。

訴えかけるような瞳でまっすぐ見つめられると、さすがの要も「仕方ないなぁ……」と自宅とは逆方向へと歩みを変更させるしかなかった。