恐怖心が抜けずカタカタと身体が無意識に震える。
そんな幼なじみの姿を目の当たりにした要は、彼女と同じ目線になるようにかがんで震える身体を抱きしめた。
「……もういないから、大丈夫だよ」
抱きしめて、子どもをあやすように頭を撫でると、朋世は全身で安心感を得ようと要を求めた。
朋世の流す涙で要のコートの胸元はしっとり濡れてしまっている。
彼女が安心感を得るまでの数分間、要は黙ってその華奢な身体を守り続けた。
「どうして、要くん……ここにいるの?」
やっと落ち着きを取り戻したかと思えば、気にするのは自分の事ではなくて他人の事。
要は呆れて盛大にため息をつく。
「トモがこんな時間から家を出ていくのが見えたから気になったんだ」
朋世は「そっか……」と納得して頷く。
「ごめん。もう平気……」
彼女がゆっくりと立ち上がるのを見届けて、要も立ち上がる。



