やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ


そして、水族館での出来事も一緒に……。


『それから“俺が好きなのは昔からトモだけ”っていうのは本当だから』


要が言った台詞を思い出して、朋世の顔が赤面する。

その言葉を受け止めずに、思わず逃げてしまった。
本気に(とら)えて傷つくのが怖かったからだ。
風見先輩の時のような思いは二度とごめんだった。

「朋世。ちょっとおりてらっしゃい!」

一階のリビングから母が呼ぶ声がする。
朋世は「分かった」と返事をしてリビングに向かった。

「お母さん何?」

朋世が尋ねると、母は父と腕を組んで嬉しそうに「お父さんとお母さんね、今月で結婚二十年なの」と言う。

突然の報告に朋世はどんな顔をしていいのか分からなかった。

「なに……その薄い反応」

母は実に不満そうだ。