やっぱ、お前は俺じゃなきゃダメだろ


ちゃんと謝らなきゃ――…


俯き加減の朋世の前に一頭のシロイルカがやってくる。
ぽわわんと大きなバブルリングを吐き出した。
幸せのバブルリング。


“大丈夫だよ”


心が沈んでいる朋世にそう告げているようだった。

シロイルカが朋世の前を泳ぎ去ってしまうと同時に、彼女は自身の周りをぐるりと一周見渡す。
トイレに言ってくるだけのわりには要の帰りが遅い気がした。


まさか、先に帰っちゃったんじゃ――…

 
そう思うと、朋世は慌ててトイレと水族館のロビーがある方へ小走りする。
他の入館客の脇をすり抜けながらいくのだが、急いでいるあまり人にぶつかってしまった。

「……ご、ごめんなさい」

朋世はすぐに謝罪して顔を上げた。
そこには「何してんの?」とポカンと立っている要の姿があった。