シロイルカの水槽へ到着してすぐ、要は“トイレに行ってくる”と言って朋世をその場に残したまま大水槽から去っていった。
自分がシロイルカの水槽に行きたいって言ったくせに……
シロイルカを鑑賞する間もなくいなくなってしまった要を思うと朋世は不満顔の一つもするが、トイレと言われてしまえば仕方が無いと諦めてひとり大水槽の前に立った。
視界いっぱいに広がる青。
その場所を優雅に泳ぎまわる大きなイルカたち。
自身の心にもこれくらいの余裕があればいいのに……と思わずにはいられない。
要の頬を叩いて、酷い言い方を言ってしまった事、まだ謝れていなかった。
ついさっきまであいたちも一緒に居てなんとなく言い出せなくて、まるで何事も無かったかのように普通に接しているけれど、そんなうやむやのままにしていいわけがない。



