「あの二人を見ても何も思わなかったのか?」
「二人って……あいと三宅君?」
「そう」
要の問いに朋世は首を傾げて少し考える。
アシカショーに行く前の二人を思い返してみた。
彼らは仲良さそうに顔を見合わせて互いに意思疎通をしていた。
「両想い……なのかな」
朋世は自分なりの答えを口にするが、あまり自信が無かった。
それだけの恋愛経験しか持たないから。
「分かったなら、俺たちも行くぞ」
朋世の出した答えはどうやら正解だったらしい。要は彼女の手を引いて歩き出す。
「ど、どこ行くの?」
「シロイルカの水槽」
「シロイルカは好きなんだね?」
「別に、アシカも嫌いじゃないけどな」
そんなくだらない会話をしながら、二人は再び薄暗い水槽の館に入っていった。



