「教えてくれないってことは、イジワルしていいの?」
ダメって意味を込めて、
首をフルフルと横に振る。
「やだよ、どっちもダメはナシ」
「ずるいよ……凪くん……っ」
「ずるいのは有栖ちゃんだよ……」
片腕を優しく引かれて、
凪くんの大きな身体に包み込まれた。
その直後、今日いちばんの大きな花火が打ち上げられた。
おそらく、ラストの花火だった。
さっきまで騒がしかった空間が、
花火の音がなくなったことで、一気にシーンと静まり返る。
わたしは凪くんの腕の中で抱きしめられたまま動けずにいた。
頭の中では、どうして抱きしめられているのかわからず、軽くパニックを起こしている。

