翌日、学校にやってきた降谷 恭斗は
相変わらず、人に囲まれていた。
あの男がそこまで皆に
好かれる理由は最近少しずつ
分かってきたけど
魅力的だとは感じない。
あれほどまでに残念な男に
好意を抱く人の気持ちが分からない。
1週間ほど経ったある日
私が登校すると雄亮が
生徒玄関の靴箱にもたれかかっていた。
雄亮「絆、ちょっと話したい事
あんねんけど、いい?」
そうなりたいと願ったのは私だけど
雄亮と話すのは随分と久しぶりだった。
人目につかない場所へ移動すると
雄亮は階段に腰掛けた。
きっと、長い話になるのだろう。
そう思って私もその隣に腰掛けた。



