ソファにどかっと腰を下ろした
降谷 恭斗はため息混じりに私に聞いた。

恭斗「お前、俺の事なんて
どうでもいいんだろ?
心配してる訳でもねぇのに
首突っ込んでくんなよ。」

絆「言ったはずだ。
私はお前の事を知りたいと。」

分かったよと言いながら降谷 恭斗は
キッチンへ向かい茶を淹れると
もう一度ソファに座り直した。

恭斗「俺の父親は企業法務を専門とする
弁護士事務所の所長だ。
今は都内に4社。その全ての
最高位にいるのがあの人だ。
幼い頃から、厳しい人だった。
そうやってずっと育てられてきたから
俺にとってはあの人に敬語を使うのは
当たり前だ。気持ち悪くてもあれが俺だ。」

絆「そうか。」

恭斗「あの人は一度も妹の
見舞いに行った事がない。
冷たい人だ。俺でもそう思うんだから
母親がそう思うのも無理はない。
あの人は俺たちの事なんてどうでもいい。
家を出た方が幸せになれる。」