絆「頼むからもう...私に構うな。
お前といると私が私じゃなくなる。」
それでも尚、降谷 恭斗は
私の肩を掴んで離さない。
恭斗「お前が何と言おうと
これからも俺はお前のそばを離れない。
構って構って構いまくってやる。」
本当にわからず屋な男だ。
絆「私の気持ちはどうなる?」
恭斗「傷付けよ。泣けよ。
俺が慰めてやるから。
怒れ。笑え。哀しめ。喜べ。
俺のそばでそうやって
色んな表情見せてみろよ。
お前は能面じゃない。
ちゃんと、色んな表情を持ってる。」
この男には通じないのだろう。
私がどれだけ拒絶しても
しつこく付き纏ってくる。
ある意味、ブレない男だった。
恭斗「俺の前で泣いたって事は
お前が少しずつ心を開いてきてる証拠だ。
俺に怒るって事は、お前にはちゃんと
感情があるって証拠だ。
生きてる。お前は、この世界で。
ここがお前の物語だ。」
それでも、やっぱり分からない。
降谷 恭斗という人間は
まるで掴み所のない男だった。



