恭斗「夢見る夢子かよ。」

頭上から声が聞こえて見上げると
クラスメイトの降谷 恭斗が
私のスマホを覗き込んでいた。

降谷 恭斗は私が最も嫌いな人物。
上から目線で横柄な態度を取る
俗に言う、俺様な彼の事を
どうしても私は好きになれなかった。

でも、私の嫌いな彼は
他の生徒の人気者だ。
その俺様加減にキュンとするだとか
女生徒がよくそんな話をしている。

皆が恋するその人を嫌いな私は
人とズレているのかもしれない。
だけど、私は見てくれなんて気にしない。

地味でも堅物でも融通が効かなくても
これが、私なのだから。