私の恋のヒーローは


平行線の日々が続いていた。

あの日からお母さんは
私や父が家にいる間は
寝室から出て来なくなった。

父の朝食と弁当を作り
空いた時間に小説を書き
父が帰るまでに夕飯を作る。

この家に訪れた初めての危機だった。

順風満帆な生活がいつまでも
続くとは限らない。
歯車が狂い出せば全てが狂ってしまう。

そもそもの原因は私だ。

学校に通わなくなって
1週間が経った、ある日の夕方。
珍しくインターホンが鳴った。