私の恋のヒーローは


父の置いていった食器を洗い始めると
お母さんが寝室から出てくる。

母「洗わなくていいわよ。
絆にはもっと他にやる事があるでしょ?」

絆「父の意見に興味はありません。
私は、お母さんがどう思うかを
知りたいんです。お母さんが
首を縦に振ってくれるまで
いつまででも待ちますから。」

息苦しい毎日が窮屈だった。
実の母親ではない事を
気にするお母さんと
自分勝手な父と
頑固な私とがぶつかり合う
毎日に嫌気がさしていた。

結局、どこにいったって
現実世界の私には居場所なんてない。
家にも学校にもこの世界にも。

現実世界で私を愛してくれる人は
1人もいない。
だから、私は殻を作った。
閉じ込もれる世界を作った。