私の恋のヒーローは


私の気持ちを1番理解してくれるのは
父だけど家族らしい会話は
した事がなかった。
私の気持ちも父の気持ちも。
私の現状も父の現状も。
全てお母さんが伝えてくれる。

お母さんの手料理を頬張りながら
珍しく父が私に尋ねてくる。

父「学校、辞めるのか?」

絆「辞めたいと思ってる。」

父「そうか。絆がそう思うのなら
お母さんが何を言っても
自分の思う通りにしてみろ。」

絆「うん。」

父「お母さんが反対しても
俺は絆の味方だから。
必要な書類があるのなら
俺の所へ持って来なさい。」

絆「うん。」

私の理解者は父しかいない。

でも、さっきの話を聞いて
今の父の言葉を聞いて
気付いた事がある。

私の事を理解してくれているのは
父だけど、私の事を1番に
考えてくれているのは父じゃない。
お母さんなんだと。