鞄を肩にかけサッカー部の部室に
向かおうとする降谷 恭斗の
背中に声をかける。

絆「お前らしくないな。」

無視されると思っていたが
降谷 恭斗は振り返った。

恭斗「何が?」

絆「私がこの間、あんな事を言ったから
手を抜いたのか?今回のテスト。」

恭斗「随分と自意識過剰だな。
お前の言葉なんてハエの羽音と同じだ。」

最近ではあまり見なくなった
冷ややかな瞳を久しぶりに見た。
だけど、そんな瞳には今更、動じない。

絆「だったら何故
お前が1番じゃないんだ?
お前が私に負けるはずないだろ。」

恭斗「ならなかったんじゃない!
なれなかったんだ。」