お母さんがお父さんに恋をしたように
私にもまた恋をする人がいる。
それは架空の人物だけど
想う気持ちに大差はない。
私はスマホを取り出すと
今まで私が書いた小説を
お母さんに見せる。
絆「夢があるんです。」
母「夢?」
絆「その夢が叶うとは思ってません。
だから、どんな形になったとしても
大学には通います。
大学に通いながら書きたいんです。
私は、恋愛小説家になりたいんです。」
今まで、ずっとそんな風に
思った事はなかった。
でも、今以上に小説に向き合う時間が
増えるのなら、今以上に物語の中の
ヒーローに恋する時間が増えるのなら
夢になるかもしれないと思った。



