ケラケラと笑うみんなに先生もそれ以上何も言わずに中野くんを座らせた。 彼はすごい。 みんなを笑わせることでさらっとこの場をやり過ごしてしまう。 私には到底出来ない技。 さりげなく庇ってくれたのかなと思いつつも、それから何事もなかったように授業は進んでいった。 4時間目が終わり、友達と机をくっつけて弁当を食べる準備をしている中野くんに 「な、な中野くん」 声が裏返りながらも勇気を出して懸命に話しかけた 。