「そうなんだ。じゃあさ、日下部さんのお弁当にはいつもはどっちの味が入っているの?」
「えー、うーん、どうだろう。日によって違うかなー。というより、他のおかずによって違うかも」
「……というと?」
広瀬くんは興味津々といった様子。
身を乗り出すようにして聞いてくる。
なんだか気恥ずかしさを感じながら、私は答えた。
「味のバランスっていうのかな。煮物みたいに甘いおかずが多いときはしょっぱいだし巻きだし、塩味が多いなら甘い卵焼き。
広瀬くんの今日のお弁当は、他のおかずは塩味だったから、うちのお父さんなら甘い卵焼きをいれるかも」
お弁当を作るお父さんの様子を思い浮かべる。
大きい身体を丸めるようにして、ちまちまと私のお弁当をつめてくれる姿。
……そうだ。お父さん、いつも色々考えながらお料理を作ってくれている。
「……て、広瀬くんなにをしているの?」
ふと気づけば、広瀬くんはいつの間にかメモ帳を取り出してなにやら書き留めていた。
「あ、ごめん。勉強になる話だったから次からの参考にさせてもらおうと思って」
「……勉強ってー。ただのうちのご飯の話だよー」
「それがいいんだよ。僕、誰かと料理の話をしたこと……ほとんど………あんまりなかったから」
「えー、うーん、どうだろう。日によって違うかなー。というより、他のおかずによって違うかも」
「……というと?」
広瀬くんは興味津々といった様子。
身を乗り出すようにして聞いてくる。
なんだか気恥ずかしさを感じながら、私は答えた。
「味のバランスっていうのかな。煮物みたいに甘いおかずが多いときはしょっぱいだし巻きだし、塩味が多いなら甘い卵焼き。
広瀬くんの今日のお弁当は、他のおかずは塩味だったから、うちのお父さんなら甘い卵焼きをいれるかも」
お弁当を作るお父さんの様子を思い浮かべる。
大きい身体を丸めるようにして、ちまちまと私のお弁当をつめてくれる姿。
……そうだ。お父さん、いつも色々考えながらお料理を作ってくれている。
「……て、広瀬くんなにをしているの?」
ふと気づけば、広瀬くんはいつの間にかメモ帳を取り出してなにやら書き留めていた。
「あ、ごめん。勉強になる話だったから次からの参考にさせてもらおうと思って」
「……勉強ってー。ただのうちのご飯の話だよー」
「それがいいんだよ。僕、誰かと料理の話をしたこと……ほとんど………あんまりなかったから」


