広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き

☆ ☆ ☆

次の日。

昼休み前の授業中。

あと少しで、広瀬くんとのお昼ごはん。

私は………お腹の音と格闘していた。

(ヤバイヤバイ……鳴りそう鳴りそう。さっきの休み時間プチランクドシャ食べたのに……!)

うっ。ランクドシャのサクサク食感を思い出して、よけいにお腹がすいてきた。

私のバカ。完全に自爆だ。

あと10分。なんとか耐えなくては。

そういえば、腹式呼吸がいいって弥生が言ってた気がする。

でも腹式呼吸ってどうやるの?

たしか吹奏楽部とかが練習するやつだよね。

ああっ。弥生にやり方も聞いておけばよかった。

……とにかく、きっと深く呼吸すればいいはず。

ゆっくり……すって……はいて……すって……

ーーーぐううう~~~~

「……!」

いつもより大きい音が響いた。

前の席の弥生は吹き出している。

(あああああああーーー!!!!!)

私は机に突っ伏し、授業が終わるまで脱け殻になってしまっていた。

恥ずかしくてたまらない。

……隣の広瀬くんの様子は、とてもじゃないけど見られなかった。